デッドヒート

筑波大学の寮では毎晩12時ごろになるとマラソンをする幽霊が出るそうです。
隣の壁から『タッタッタッ』という足音が聞こえてきたかと思うと、壁から短髪のランニング姿でたすきをかけた男が出てきます。
「うわっ!」
驚いている間に反対側の壁に消えていきます。
すると隣の部屋からも・・・「うわっ!」
やがて、『幽霊はゴール直前で死んだ。その未練のせいで成仏できないのだ』と言った噂が流れるようになりました。
そこで、ある寮生が、幽霊が通る部屋でゴールテープを張っておきました。

その日の夜、いつものように『タッタッタッ』と足音が聞こえてきました。
そして、幽霊が最後のコーナーにさしかかろうかというとき
「破アッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ』
とすごい気合とともにどこからともなく現れたTさんが、幽霊をものすごい勢いで追いかけ始めました。
逃げる幽霊、追うTさん。Tさんが追いついたかと思うと幽霊もピッチを上げてさらにTさんを振り切ります。
そしてついにTさんがほんのわずかなリードでゴールのテープを切りました。その瞬間幽霊はとても悔しそうな顔をしてき得ていきました。

「所詮お前はマラソンランナーには向いていなかったという事さ…」
幽霊にとどめの一言を残してまたどこへともなく立ち去っていくTさんをみて、寺生まれってすごいって改めて思った。

それから寮にはこの幽霊は出てきていませんが、今でもあの消える瞬間の
幽霊の泣きそうな表情を思い出すたびに、遣り切れない思いで心がいっぱいになります。



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