動く人形

信じようと、信じまいと―

南アフリカのある地方に、動く人形があるという。
イギリス人記者が、それがあるほこらに行ったところ、突っ立ったままで動こうとしない。
その事を現地人に報告すると彼らは一気に青ざめた。その人形は、座っているはずだと。
記者がそこに戻ると、人形は座ったままで微笑んでいた。
「ヘイ、ジョージ。そこを動くんじゃないぞ!」
記者の背後から、鋭い声が響いた。
ジョージがゆっくりと振り返ると、そこには彼の友人、Tがいた。
「ミスターT・・・これはいったい・・・」
脅えるジョージに向けてTは応用に頷きかけ、ジョージには理解できない日本の言葉で
何事をかを呟きながら、両手を複雑に組み合わせて印を結んでいった。
「HAAAAAAAA!」
裂帛の気合と共に突き出されたTの掌から、眩い光が飛び出すのを、確かにジョージは見た。
その光はまっすぐに人形へと吸い込まれていき、そして、世にも恐ろしい断末魔の叫びが
人形の口から溢れ出したのだった。その後には、何の変哲もない、古ぼけた人形だけが残されていた。
「これでオールオーケイだ、ジョージ」
ニヤリ、とTは笑った。
やっぱり寺生まれってグレイト、改めてジョージはそう思った。




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